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ソース: 千田夏光「 高校生徹底質問!! 従軍慰安婦とは何か 」汐文社1992年5月 2-04 妊娠させられた慰安婦もいたのか 中絶手術などしなかったのか… 2-04 妊娠させられた慰安婦もいたのか 中絶手術などしなかったのか…コメント欄 妊娠させられた慰安婦の数は不明だが各地でいたことをこれも数人の軍医が語ったり書き残している。 青森市に住まわれビルマのインドウにあったビルマ方面軍第百二十四兵站病院へ配属された花田二徳元軍医の書かれたものによると「近くの竹藪に朝鮮人慰安婦で妊娠しているらしいのがいるので診てやってくれ」と頼まれ出かけてみると妊娠四ヵ月だった。 本人がそこまで気がつかなかったのは性知識にうとかったためだったが直ちに中絶手術をしてやろうとした。ところが病院長に「ここは軍隊でお前は大日本帝国の軍医だぞ」と叱りとばされた。 理由の一つは軍医が対象とするのは軍人軍属にかぎられ従軍慰安婦はそのいずれでもないこと、いま一つは当時の日本では格別の理由、医学的に的に中絶しないと母体があぶないときにと法律で定められ、それ以外の理由で中絶手術をすることは禁じられていた。法をやぶれば堕胎罪(だたいざい)31)として刑法にふれ罰されることになっていた。一種の国禁である。 31) 堕胎罪(だたいざい) 胎児を故意に殺したり、早産させるなど、胎児の生命を危険にさらすことの罪。刑法二一二条以下に規定されている。 大日本帝国陸軍の兵站病院でそんなことが許されるかということである。"満州"の孫呉(そんご)にあった玉兵団司令部の軍医部にいた元川崎の某公立病院の院長も同じことを経験されている。「軍の所轄外のことで処置する必要なし」と放置することを命じられている。 ビルマのような野戦地区で彼女のその後は伝わっていないが、孫呉の慰安所の朝鮮人慰安婦の場合は結局赤ン坊を背中にしばりトランクをさげどこかへ消えていったという。 ラバウルのココポでは前に話した麻生軍医が自分の判断で五ヵ月の慰安婦の中絶手術をおこなったことを語っているが、手術の途中で空襲があり手術場は潰滅し手術器具も四散したので手術は中止、その慰安婦をトラック島へむかう輸送船にのせ、そこの軍医に後事をたくしたという。だがこの輸送船はトラック島入港直前に米海軍の潜水艦に撃沈され全員が水没戦死した。 とにかく各地で同様なことがあったことは間違いない。麻生軍医の場合は上司に報告することなく独断で手術にかかったが、もし上司が知ったら処罰をうけたはずだ。 FAQ目次 コメント欄 名前 コメント すべてのコメントを見る
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八八艦隊加賀の航海士 主に戦艦、駆逐艦などの軍艦(大日本帝国海軍)ネタのオフボーカル替え歌を製作 「語呂とノリを愛した」替え歌(ネタと選曲)が多い が、時々ガチンコなMADも作る 何者ですか貴方は 八⑧destinyよりHNを「tk」から「八八艦隊加賀の航海士」に改名した ジャンル 替え歌歴史シリーズ、軍事サイド 関連サイトなど 関連タグ 替え歌歴史シリーズ 政歴M@D 軍事 マイリスト 今まで作った物 代表作 第四回政歴M@D祭参加作品 第五回政歴M@D祭参加作品 海祭参加作品 第七回政歴M@D祭参加作品 第八回政歴M@D祭参加作品 第九回政歴M@D祭参加作品 第十回政歴M@D祭参加作品 第十一回政歴M@D祭参加作品
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政歴M@DゲームOP風・第二次世界大戦 受験に出ない第二次世界大戦 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)1/5 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)2/5 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)3/5 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)4/5 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)5/5 映像記録史 「太平洋戦争」映像記録史 「太平洋戦争」 前編1 映像記録史 「太平洋戦争」 前編2 映像記録史 「太平洋戦争」 後編1 映像記録史 「太平洋戦争」 後編2 世界は原爆をどう見たか世界は原爆をどう見たか 世界は原爆をどう見たか2 世界は原爆をどう見たか3 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「大西洋海域 Uボートの栄光と悲劇」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「ナチス・ヒトラーの台頭」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「砂漠の狐、ロンメル戦車隊」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「フランスの崩壊」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「太平洋戦争、アメリカ参戦」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「ロンドン大空襲」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「独ソ全面戦争に突入す」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「ドイツ軍ヨーロッパを蹂躙」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「凄絶!ヨーロッパ・空の決戦」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「スターリングラード攻防戦」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「レニングラード攻防戦」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「日米戦争に突入す」 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「激戦太平洋戦争」 ドキュメント太平洋戦争ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part1 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part2 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part3 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part4 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part5 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part6 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part1 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part2 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part3 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part4 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part5 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part1 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part2 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part3 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part4 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part5 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 1/5 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 2/5 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 3/5 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 4/5 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 5/5 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part1 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part2 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part3 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part4 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part5 大東亜戦争大東亜戦争 part1 大東亜戦争 part2 大東亜戦争 part3 大東亜戦争 part4 大東亜戦争 part5 大東亜戦争 part6 大東亜戦争 part7 大東亜戦争 part8 大東亜戦争 part9 大東亜戦争 part10 大東亜戦争 part11 大東亜戦争 part12 大東亜戦争 part13 大東亜戦争 part14 大東亜戦争 part15 大東亜戦争 part16 大東亜戦争 part17 誇り~伝えよう日本のあゆみ~誇り~伝えよう日本のあゆみ~ 政歴M@D ゲームOP風・第二次世界大戦 2007年10月23日 20 57 07 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1347673http //www.nicovideo.jp/watch/sm1347673 受験に出ない第二次世界大戦 2007年07月13日 15 02 30 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm607749http //www.nicovideo.jp/watch/sm607749 ▲このページの目次に戻る 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム) 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)1/5 2008年06月07日 01 36 01 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3576955http //www.nicovideo.jp/watch/sm3576955 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)2/5 2008年06月07日 01 43 18 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3577038http //www.nicovideo.jp/watch/sm3577038 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)3/5 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3577083http //www.nicovideo.jp/watch/sm3577083 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)4/5 2008年06月07日 01 54 02 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3577135http //www.nicovideo.jp/watch/sm3577135 第二次世界大戦時の日本(オールカラーフィルム)5/5 2008年01月23日 03 13 26 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2111917http //www.nicovideo.jp/watch/sm2111917 ▲このページの目次に戻る 映像記録史 「太平洋戦争」 映像記録史 「太平洋戦争」 前編1 2008年06月22日 15 49 26 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3733463http //www.nicovideo.jp/watch/sm3733463 映像記録史 「太平洋戦争」 前編2 2008年06月22日 16 01 57 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3733637http //www.nicovideo.jp/watch/sm3733637 映像記録史 「太平洋戦争」 後編1 2008年06月22日 16 40 42 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3734026http //www.nicovideo.jp/watch/sm3734026 映像記録史 「太平洋戦争」 後編2 2008年06月22日 17 36 36 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3734460http //www.nicovideo.jp/watch/sm3734460 ▲このページの目次に戻る 世界は原爆をどう見たか 世界は原爆をどう見たか 2007年12月18日 11 44 18 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1805407http //www.nicovideo.jp/watch/sm1805407 世界は原爆をどう見たか2 2007年12月19日 15 08 10 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1812699http //www.nicovideo.jp/watch/sm1812699 世界は原爆をどう見たか3 2007年12月20日 13 08 32 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1820564http //www.nicovideo.jp/watch/sm1820564 ▲このページの目次に戻る 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「大西洋海域 Uボートの栄光と悲劇」 2007年12月16日 08 15 55 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1787161http 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//www.nicovideo.jp/watch/sm1804622http //www.nicovideo.jp/watch/sm1804622 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「凄絶!ヨーロッパ・空の決戦」 2007年12月18日 19 21 45 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1807717http //www.nicovideo.jp/watch/sm1807717 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「スターリングラード攻防戦」 2007年12月19日 20 16 06 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1815523http //www.nicovideo.jp/watch/sm1815523 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「レニングラード攻防戦」 2007年12月19日 21 15 54 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1815913http //www.nicovideo.jp/watch/sm1815913 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「日米戦争に突入す」 2008年01月23日 03 13 26 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2111917http //www.nicovideo.jp/watch/sm2111917 秘録 第二次世界大戦 THE WORLD AT WAR 「激戦太平洋戦争」 2008年01月24日 03 01 52 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2120439http //www.nicovideo.jp/watch/sm2120439 ▲このページの目次に戻る ドキュメント太平洋戦争 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part1 2008年06月06日 10 56 16 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569237http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569237 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part2 2008年06月06日 11 11 21 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569362http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569362 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part3 2008年06月06日 11 49 52 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569438http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569438 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part4 2008年06月06日 12 08 03 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569614http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569614 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part5 2008年06月06日 12 21 21 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569699http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569699 ドキュメント太平洋戦争 第1集 「大日本帝国のアキレス腱」part6 2008年06月06日 12 38 13 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569756http //www.nicovideo.jp/watch/sm3569756 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part1 2008年06月22日 12 42 35 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3731544http //www.nicovideo.jp/watch/sm3731544 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part2 2008年06月22日 14 25 50 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3732575http //www.nicovideo.jp/watch/sm3732575 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part3 2008年06月22日 15 30 38 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3732841http //www.nicovideo.jp/watch/sm3732841 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part4 2008年06月22日 20 28 34 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3736061http //www.nicovideo.jp/watch/sm3736061 ドキュメント太平洋戦争 第2集 「敵を知らず己を知らず」part5 2008年06月22日 20 42 40 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm3737015http //www.nicovideo.jp/watch/sm3737015 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part1 2009年01月10日 10 45 46 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm5799986http //www.nicovideo.jp/watch/sm5799986 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part2 2009年01月10日 11 05 01 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm5800099http //www.nicovideo.jp/watch/sm5800099 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part3 2009年01月10日 11 22 25 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm5800200http //www.nicovideo.jp/watch/sm5800200 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part4 2009年01月10日 11 37 00 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm5800296http //www.nicovideo.jp/watch/sm5800296 ドキュメント太平洋戦争 第3集 「エレクトロニクスが戦を制す」 part5 2009年01月10日 12 09 45 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm5800452http //www.nicovideo.jp/watch/sm5800452 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 1/5 2009年07月30日 11 51 25 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786256http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786256 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 2/5 2009年07月30日 12 04 12 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786328http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786328 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 3/5 2009年07月30日 12 16 11 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786412http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786412 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 4/5 2009年07月30日 12 27 55 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786468http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786468 ドキュメント太平洋戦争 第4集 ビルマ・インパール 5/5 2009年07月30日 12 39 28 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786548http //www.nicovideo.jp/watch/sm7786548 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part1 2009年04月01日 15 25 48 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6613985http //www.nicovideo.jp/watch/sm6613985 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part2 2009年04月01日 16 01 11 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6614234http //www.nicovideo.jp/watch/sm6614234 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part3 2009年04月01日 16 36 25 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6614524http //www.nicovideo.jp/watch/sm6614524 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part4 2009年04月01日 17 13 39 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6614866http //www.nicovideo.jp/watch/sm6614866 ドキュメント太平洋戦争 第5集 「踏みにじられた南の島」part5 2009年04月01日 18 07 48 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm6615288http //www.nicovideo.jp/watch/sm6615288 ▲このページの目次に戻る 大東亜戦争 大東亜戦争 part1 2007年08月15日 11 23 42 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm843053http //www.nicovideo.jp/watch/sm843053 大東亜戦争 part2 2007年08月15日 11 42 37 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm845194http //www.nicovideo.jp/watch/sm845194 大東亜戦争 part3 2007年08月15日 11 57 39 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm845282http //www.nicovideo.jp/watch/sm845282 大東亜戦争 part4 2007年08月15日 12 32 19 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm845376http //www.nicovideo.jp/watch/sm845376 大東亜戦争 part5 2007年08月15日 12 49 10 投稿 http //www.nicovideo.jp/watch/sm845539http 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ノモンハン前哨戦 陣営情報 陣営 軍事費 都市収入 国家収入 都市 空港 港 最大数 兵力 大日本帝国 5000 200 300 2 2 0 16 12 外蒙古軍 500 500 100 5 0 0 8 8 マップ詳細 担当国 大日本帝国 参戦国 外蒙古軍 作戦期間 39年5月12日~5月31日 勝利条件 大勝利 15ターン以内に外蒙古軍司令部を破壊 勝利 外蒙古軍司令部の破壊 勝利の鍵 1.空軍は爆撃機である九七式重爆を中心に編成する 2.不要なユニットを処分して再編成しながら、道なりに敵司令部を目指す 3.敵司令部近くでの経験値稼ぎを練習してみよう 戦勝ボーナス 結果 訓練値 経験値 資金 大勝利 10 50 2000 勝利 5 25 1000 攻略 [簡単なマップ説明] プレイヤーはノモンハンに、敵となる外蒙古軍はカワマタに司令部を置いている。敵は バル高地から都市を占領しながら歩兵を走らせ、南部を東へ進軍する。 [大勝利を狙うパターン] まず敵歩兵対策。山岳地帯を少し進んですぐの都市を歩兵に占領させたら、そこに適当な 戦力を防衛させておこう。敵歩兵は勝手に向こうの方からやってきて返り討ちにあう。 八九式中戦車を置いておけばいい。 九七式中戦車は好みの問題になるかもしれないが、ここでは使わない方向で攻略する。 これに限ったことではないが、日本の戦車部隊は全て頼りにならないから、使い辛いのだ。 九四式軽装甲車ともども処分しても良い。浮いた分は75mm野砲(日)や九七式重爆、 歩兵(日)の追加に回す。 それより南下して西へ向かう歩兵中心の主力部隊が重要。近衛兵を前に出しながら途中の 都市は無視して前進、遭遇する敵の野砲を抱えた輸送車と敵歩兵を蹴散らし、たった一機の 航空戦力I-15は九七式戦闘機で叩き落としながら敵司令部へ向かう。途中にある空港を 優先して占領しよう。九七式重爆の中継点とするためだ。司令部東すぐの都市一群も占領。 司令部を破壊する際は、まず野砲で間接攻撃してから近衛兵でトドメを刺すと確実。 [経験値を稼ぐパターン] 言うまでもないが、敵司令部周辺で出てきた敵(もっぱら予備役兵(共通))を出てきた端から 潰して稼ぐ。補給車(共通)を2台ほど同伴させるが、この際オプションで補給はOFFにすること。 大勝利ボーナスも大したことが無いので、ただの勝利でも構わないくらいだ。 コメント 攻略等に関して意見のある方はコメントをお寄せください。 また誤字脱字以外で特に攻略内容に変更を加えた場合は、変更箇所とその理由をコメントするようにしましょう。 名前 コメント
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464: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 51 03 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp えー、先ほどは大変お騒がせいたしました。お詫びになりますが漆黒アメリカルート「宗教戦争大戦後日談 カルマ」を投稿させていただきます。弥次郎氏はじめ皆さまどうぞお楽しみください。 1958年10月9日 「全く、今思い返しても地獄のような戦いだった」 そうこぼすのは、大日本帝国首相にして夢幻会のトップ嶋田繁太郎である。 彼が言及したのは宗教世界大戦と化した第二次世界大戦についてだ。キリスト教の教皇とイスラムのカリフを錦の旗として結成された中東諸国・欧州各国連合十字軍は、カルト連合であるアメリカ合衆国、ナチスドイツ、神聖中華帝国との地獄の争いを繰り広げた。当初彼らはたかがカルトなどすぐにこの世から消し去ってやるとお互いに士気を高め、教皇やカリフは「キリストとアッラーが合わされば邪教徒など一年で浄化して見せる」と発言したそうである。 465: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 51 49 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp しかし、人の業は彼らの想像をはるかに超えていた。カルトによって狂った人々は、薬物によって自らを高揚させた特攻部隊を始め、白人を含めた「神の教えに反する罪人」による肉の防護壁、体内に毒ガスやクラスター爆弾を埋め込んだ「神の寵愛」部隊、敵地で自ら生物兵器を飲み干し敵を死に至らしめる「神の救済」部隊など国際法など影も形もない凶器の産物が姿を現していた。さらに敵兵及び民間人はカルト連合の兵士たちによって「洗礼」と「浄化」を受けたのち、食料不足の中華に「救済の巡礼」に派遣され、その対価として中華からは万を超える「神罰部隊」が途中インドや中央アジアに「神の愛」を与えながら欧州に「救済」をしに行くと言う吐き気を催す邪悪な光景が現れていた。 466: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 52 48 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp こうして、カルト連合の全国民や世界中に潜むシンパがあらゆる手段を文字通り行うゲリラ戦士と化し、海を隔てるという幸運の上、圧倒的な軍事力を持った大日本帝国や大英帝国、そのサポートを受ける朝鮮王国や東南アジア諸国、極東ロシアや加州、アメリカ連合、中南米は辛うじて余裕を持って敵を文字通り殲滅できていたが、それ以外の世界中の場所では地獄が顕現し、軍の派遣が厳しく年齢、性別、立場、思想、宗教何もかも違う民間人が協力して重度の武装と強固な拠点、物資の補給ルートの確保を行なって生き残れると言う世紀末状態であり、軍や政府もそうした行動を容認し積極的に進めるという異常事態が発生していた。 467: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 54 01 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp そんな中、ユーラシアやアフリカ、欧州の危機に立ち上がったのはソ連であった。史実では人間不信であったスターリンは、ここでは異常なまでの宗教嫌いであった。と言うのもロシア皇帝一家を逃がし極東ロシア帝国を建国されるという屈辱を挽回すべくスターリンは日本に一泡ふかそうとアメリカ合衆国にスパイを送り込み利用しようとしていた。しかし、調べれば調べるほどロシア帝政の圧政が天国に思えるようなディストピアが広がっており、人生最大の衝撃を受けたのである。 468: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 54 37 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp そして暴走した共産主義もこのようになる可能性を悟った「どのような思想でも行き過ぎれば毒である」との教訓を得たスターリンは極東ロシア帝国との融和を行い合衆国を引き合いに出して「我が国はこのようなディストピアに陥ってはいけない」と共産主義の行きつく可能性としてソ連のライバルたちを三日三晩説得し、資本主義と社会主義をミックスした独自のスターリン主義を打ち出した。このことは夢幻会に大きな衝撃を与えたが、彼が敵にならないならと安心してもいた。 469: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 55 33 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp そうしたスターリンの行動で史実よりは温厚になったソ連だが、自らの影響力を強めるべくロビー活動は史実よりも充実させていた。そんな中起こった宗教大戦でカルト連合による外道を聞くと、スターリンは激怒し「カルトの糞どもが、たとえ便所に隠れていても息の根を止めてやる」と発言し、連合十字軍及び大英帝国、大日本帝国への協力を呼びかけ後にカルト連合壊滅に最も貢献したとされる「大粛清」を発動した。 詳細は省くが有名な作戦の一つとして世界各国に浸透させたスパイ網をフル活用し、民間人などによって作られた特定の拠点や軍事施設への避難勧告を行い、その後外にいるものは即刻射殺、中華帝国やナチスに無差別爆撃を24時間交代制で行うと言ったものがある。 470: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 56 30 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp 「大粛清」には無罪のものも含まれていたとの指摘があるが、スターリンがこの作戦を発動していなければ欧州・アフリカ・中東・中央アジアは壊滅した可能性が高いと言われている。 「大粛清」によってカルト連合が押された際、大日本帝国、大英帝国、アメリカ連合によるオペレーション「ディエスイレ」が発動。世界各国のカルトを殲滅した後、アメリカ合衆国、ナチスドイツ、神聖中華帝国に新型爆弾を中心とした無差別投下が行われ、最後に三発の超破壊爆弾「ラグナロク」がそれぞれの国に投下され、カルト連合は壊滅した。なお、この宗教戦争は1939年から1949年まで行われ、最終的な死者は軍人、民間人を含め数十億人となった。 471: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 57 35 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp 多大な犠牲を払いながらも世界の人々はこう思った「よかった。正しき神々の加護によって我々は勝利できたのだ」。そして、十字軍の筆頭であったキリスト教とイスラム教へは絶大な支持が集まりこれらの宗教が正しき正義であるとの声も多く上がった。神道や仏教を崇拝する大日本帝国の反応が怖かったが、天皇陛下も戦争の終わりを喜ぶ声明を出し、多神教ではあるが先の大戦で勝利に共に勝利へと導いたキリスト教、イスラム教とは今後もよき関係を築きたいとおっしゃられたこともあり、大きな反発は生まなかった。 472: 名無しさん :2020/06/16(火) 22 59 31 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp しかし、キリスト教、イスラム教がともに世界中で大きく取り上げられ様々な人物がよりよく知ろうと詳細な調査を行った。そうした彼らの何人かはパンドラの箱を開けることになる。彼らの調査は善意であったが、それはカトリックの児童強姦、イスラム教の児童婚の強制などの宗教の闇を世界で最も注目され、一つの頂点にいる時に暴露し、混沌と災厄の時代の到来を招くことになる。世界の人々はあまりのショックから、一神教への懐疑や無宗教、無神論者への転向、廃れかけたり伝承になっていたりしていた土着信仰や多神教の信仰復活を招くことになった。 473: 名無しさん :2020/06/16(火) 23 00 43 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp 世界はまさに混沌の時代にあるのだ。 「まったく、史実のアメリカ合衆国への反発がこのような形で現れるとは」 アメリカ合衆国の膨張を阻止したことが、狂った合衆国を生み、宗教戦争を引き起こし、ついには一神教の崩壊の危機を招いている。これでは、かつての大津波を引き起こした際と何も変わらないのではと思いかけたが、IFを考えても仕方ないと嶋田は気を取り直した。 474: 名無しさん :2020/06/16(火) 23 01 38 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp 今日のテレビの放送にはピウス12世がローマ教皇庁へと、多数のマスコミが招かれ緊急生放送を行っている。 史実よりも進歩した治療技術のおかげが脳の異常は早期発見されたが、カトリックの児童強姦に対応するため世界各国を飛び回りその顔には疲労が見えている。その放送を見ていると嶋田の脳裏にふとある考えがよぎった。 「史実アメリカへの反発が形を変えて現れたのなら、かの同時多発テロ事件もおこるのだろうか」 嶋田は馬鹿馬鹿しいと思いテレビを消そうとすると何やら様子が変だ。何か変な音がする。まるでこれは飛行機が墜落する際の━ 475: 名無しさん :2020/06/16(火) 23 03 02 HOST M014013212160.v4.enabler.ne.jp 補遺:1958年10月9日に起きたバチカン、ローマ教皇庁の二機の飛行機墜落後、多数の死者を出し、直後に教皇は辛うじて生存しているとの通信が入るがその後ローマ教皇庁が多数の不審者による自爆特攻の後大爆発を起こし、全員の死亡が確認された。この放送は全世界に中継され、同時にハイジャックによって元一神教信者を中心に構成された呼称ネオ・カルト連合によって犯行声明が出され、彼らや共感するものによって多くの惨劇が生まれ、国連が完全壊滅を宣言したのは1991年12月26日となった。
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369 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 08 30 「第十八話 家族」 1945年10月5日 首相官邸 草加拓海中佐は昇進したばかりの新城直衛中佐と共に首相官邸に赴いた。 首相官邸周辺は新選組を中心とした武装警察が厳戒態勢を敷いている。 動員している警官総数15000名という都道府県警察・警視庁の威信をかけた大規模な捜索態勢にアリの子一つ逃さぬ警戒態勢を敷く。 あの新宿歌舞伎町のガス爆発は、ガス爆発の規模の拡大こそ複数の要因が重なった(つまり角松の思惑を超えて)。 しかし、そもそもの最初の切っ掛けになったのは小型の爆弾だったと警察は結論を下した。 つまりである、小型爆弾を使った犯人、いいやテロリスト集団は依然日本国内に潜伏中。 これに対して大日本帝国帝国政府は第一級の警戒態勢と全警察機構の連帯を命令。 阿部内務大臣は「国内問題」と「治安維持の第一責任者」、更に「教唆疑惑のあるのが上級軍人」という理由から軍内部への条件付き査察権を海軍大臣山本と陸軍大臣杉山から勝ち取る。 まあ、夢幻会どころか日本の歴史上でも珍しい突っかみ合いの喧嘩が閣議室で起きたほどこの事件は大事件だ。 皇居に至っては近衛師団第二連隊が完全装備で24時間警戒態勢に移行している。 「碇さん、あなたの部下は角松中佐を逃がしたのか?」 先に控え室に待っていた碇玄道へ新城直衛の乾いた笑みが突き刺さる。 受付の女性が顔を引きつらせながらそそくさと逃げる。 「ああ」 そうか。 それだけか。 ふん。 「で、君はどう責任を感じている?」 碇玄道。 彼は聞き及ぶに僕や草加と違って事件発生の報告を聞いても終始無言だったという。 (待てよ? もしかしたら碇玄道にとって「みらい」を巡る事件は既に終わっていたのではないか?) 例えるならこれは映画におけるエンドロール。 (映画本編は好きでも、内容には期待して気になっても、別に俳優の名前に興味がない人間はさっさと席を立つ、そんな感じではないか?) 実際そうだった。 新城の碇に対する推察は的を得ている。 碇玄道にとって「みらい」の持つ情報を草加拓海が開示した時にもっとも恐れたことはせっかく手に入れた大日本帝国情報部国外情報分析局部局長という地位が無意味になる事。 正確には自分の身分を保証し、給料を払ってくれていて、安全な生活と豊かな未来を提供する国家が無くなってしまう事のみ。 (真司と結は非常事態宣言と共に東京の碇家宗家に帰った。 先ほど警察の護衛隊と情報部の用意した警備隊も配置につき、暫くの間は碇の家の者も護衛につく。 なら問題ない。もう私にとって恐ろしいことはない) 碇玄道は彼の「家族を失う事」を恐れていた。 新城直衛は「国家の最優先命令」だったから従った。 草加拓海は己の理想に近いと言える「第三の日本」の道を賞賛していた。 この三人はそう言う関係だ。 新城直衛と草加拓海、碇玄道にとって「みらい」捕縛は義務である。 しかし、「みらい」捕縛後の事は碇玄道にとってそれ程関心が高いわけではない。 あれが、真司と結を脅かすもの。 それは「宮城」の奥深くに搬入され、保管された。 以上の事柄をその冷徹な頭脳が計算するに、もう家族に害はないだろう。 彼の家族に何らかの障害や危害が与えら得ない限り残りの「みらい乗組員」が縛り首になろうが、電気椅子に送られようが、銃殺されようがどうなろうと知ったことではない。 「ああ、それなりに、な」 だから殆ど気にしてない。 一方、新城直衛は違う。 彼は軍人だ。 実は誰よりも命令に忠実な、それでいて自分に課した己の義務を果たす事だけは忘れない典型的な職業軍人なのだ。 彼にとって「みらい」奪取とは、その乗組員全員の捕縛も意味し、守るものとは「大日本帝国の臣民」も含まれる。 彼自身がかつて上海暴動で駒城家次期当主に義姉蓮乃と共に日本軍に救われた経験を持つのだ。 故に。 「そうか、大した心臓だ。心底軽蔑するな」 「ああ、どうとってくれても構わん。君らの批評など私には何の価値もないのだから」 新城直衛。やれと言われれば無抵抗の民間人殺害もする。 しかし、守れと言われれば我が身を盾にしても対象を守る。 まして、爆発が起きた場所はユーリアと蓮乃らがいた帝都。 彼は自分が爆弾を爆発させた自責の念に囚われていた。 370 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 11 44 最後の一人、草加拓海はより複雑だった。 彼は終始無言。 作戦は順調であり、「みらい」全て掌握。危険な書物類は全て「天皇陛下」の「お手元」である「宮城」に持ち込めた。 そして誰にも見ることができない。それこそ大日本帝国が滅亡しない限り閲覧不可能な場所と条件で保管できた。 もう安心だと思っていた。 だからだろう、津田が慌てて駆け込んできた時の驚愕の表情を浮かべたのは。 『なんだと!?』 『は、たった今、帝都の新宿にてテロが発生しました。 警察からの連絡によると死傷者30名前後、周囲の家屋6棟が全損、3棟が炎上中です。 なお、主犯格は角松洋介ら「みらい」の乗組員と考えられます』 あの冷静沈着な草加拓海が絶句したのはあとにも先にもこの瞬間だけ。 彼の複雑な胸の中は誰にもわからない。 そして退出する際に津田は一度だけ振り返り、草加を見る。 津田はその瞬間を報告書の自由記載欄(これは情報を思い出しやすくする為の夢幻会の小さな提案)に書き残した。 後の政権文章にまで引用された名言。 『あれを見たか? 自分は一生忘れられないだろう。 あの草加拓海中佐(当時)が泣いていたんだ』 これは後に知将として世界中にその名前を轟かすカルフォルニア共和国のヤン・ウェンリーと比較される程の草加拓海の数少ない謎のエピソードだった。 だが、それはどうでもいい。 今の時点で草加の心の中にはたった一つの感情があった。 泣いている事に彼自身は気がついてない。 だが、心中は激流だった。嵐に投げ出された小さな小舟。台風の中のゴムボートの様に進路が定まらない、 (失望したな、角松洋介。 違うか、君は私が知っている、私をミッドウェイの海に沈みゆく水偵から助けた角松洋介ではない、最初から異なる別人だったのか。 ふふふ、偉そうなことは言えん。 失望されるべきは君を友人だと勝手に思い込み「みらい」を穏便な形でこの「帝国」に帰属させようとした愚かな賢人気取りの男。 私、草加拓海本人だったという事か) 「笑えてくるな、過去にみらいからきた未来の過去にも縛られないと思っていた。 そう行動してきて理想の国を作ろうと努力していた。 目前に見えていた「みらい」に踊らされていたのに」 草加は自嘲する。 それは彼の本心からの悔恨。 「私は貴方を友人だと信じていたのだぞ、角松洋介。決してあんな真似をする様な人間ではない。 信頼に値する友人だと信じていたのだが・・・・黄金の国であるジパングに惑わされたのは私か?」 とにかく再び黙っている三人が首相執務室に呼ばれたのはそれから30分くらい後のことだった。 中で嶋田総理らが険しい表情で待っている。 さて、誰にとって本当の意味での針の筵になるのだろうか? 草加か? 新城か? 碇か? それとも「みらい」にとってか? 後に運命の20分という極秘会談が起きる。 371 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 13 45 1945年10月6日 深夜 大日本帝国帝都ドイツ大使館 「敵の狙いは分かった、この男たちだ」 アドルフ・カウフマンは吠える。 自分宛に送られた速達の手紙が深夜に到着した。 差出人はアドルフ・カミルであり、内容を書いた人物はアンネローゼ・フォン・グリューネワルトという女。 内容は以下の文。 『大英帝国MI6エージェントである007ことジェームズ・ボンド中佐の狙いは角松洋介、梅津三郎という人物。 同封した書類と写真が彼ら履歴書と思われる。 彼らは大日本帝国情報部と海軍技術部に勤務しており、大日本帝国軍の最新技術を集結させた新造艦MIRAIの艤装委員会所属。 彼らは自己の待遇に不満を持ち、第三国への亡命を図っている。 先の新宿の爆発は角松ら上陸班が意図的に作り出した偽装工作』 書かれている内容に信頼性は全くない。 ゼロだ。 だが、アドルフ・カウフマンにはそれに縋るしかない。 彼は追い詰められていた。 母親から、「私が何とかするから今すぐ日本大使館に行き、亡命しなさい」という電話を何度も受け、更に直接説得されていた。 それを誰かに写真で取られて脅迫された。宛先不明の封筒には「亡命申告書」という最悪の書類が同封されて。 これを母から預かったエリザ以外は誰もまだ知らない。 しかし、エリザにも言えない。 加えて、ヒトラー総統が日本への宥和政策を押しすすめる気配が濃厚だという。 先のイラン演習大敗北の影響が遂に外交に出てきた。 しかもなぜか知らないがゲーリング国家元帥が自分ら特別潜入作戦部隊「ワルキューレ」に命令してきた。 正確には助言というか、忠告、或いは嫌がらせだったが。 『ドイツ人は日本人に屈しない、諸君らにもそのドイツ民族の誇りがあると信じる』 なんとまたバカバカしい。 それを最初に見た在日駐在武官のヴァルフ・シュルツ陸軍少尉とガル・ディッツ海軍中尉は失笑したという。 彼の国家元帥殿こそが、電報にあるその「大敗北」を東洋の島国に喫して、劣等民族に屈辱的に「屈した」筆頭格であり代表ではないか。 なのに、若造の武装親衛隊大尉に指揮された部隊を追い込んでどうするのか。 だが、最大の問題はゴミ箱に丸めて捨てたはずのその電報をエリザ・カウフマンが夫との情事後に見せたこと。 だから、作戦に参加しているエリザら女性陣を除いた14名(全員が特殊訓練を受けた者たち)を集めた。 因みにシュルツ少尉もディッツ中尉も彼の監視役。 彼が本当に亡命しようとするかもしれない、という危機感からではない。 ヒトラー総統お気に入りの武装親衛隊に、イラン大演習で面子を傷つけられた陸軍上層部の嫌がらせと、絶望的な差がある大日本帝国の情報をこの厄介者どもが少しでも回収すれば儲けものだと思っている海軍上層部の負の足の引っ張り合いが一致しているだけ。 彼らふたりは会議の準備に参加するだけで絶対に実際には行動しない。 その権限もないし、義務もないのだ。ついでに義理もない。 今も部屋の前で護衛と称して必死に弁舌を振るう年下のアドルフ・カウフマンを笑っている。 その理由は彼らの経歴。彼らは第二次世界大戦で常に最前線にいた。 シュルツは東部戦線で同じドイツ軍なのに一般親衛隊にオーストリア人として差別され、監視までされ、恋人との逢瀬の内容と回数まで報告させられた。 ディッツはカナリア沖で観戦武官という名目のスペイン・フランス連合艦隊の内偵をしていたが、日本軍相手に地獄をみて乗っていた乗艦を沈められ、三日間部下たちと共に大西洋を彷徨ってサメに襲われて数名の部下を失った。 実践経験豊富な矛盾する世界を知っている若い両名。 彼ら二人にとってはアドルフ・カウフマンの様に安全な国内(彼の東部戦線配属先も比較的安全だったポーランド・ソビエト連邦国境より西)。 そこで治安維持と不穏分子弾圧の名目で民間人を殺す事だけしかしなかった連中なぞ片腹痛いのだ。 むしろ最前線で戦った軍人らにとって治安維持の名目で後方にいた一部の武装親衛隊や一般親衛隊など侮蔑の対象でしかない。 372 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 14 17 「聞いたか、シュルツ少尉?」 「何がでありますか、ディッツ中尉?」 二人がタバコを蒸す。 日本産のタバコで「光」という。 この国ではこれらが主流だ。 パイプタバコや葉巻は少ない。 ましてこの世界規模の異常気象と大西洋大津波にアメリカ風邪の拡散の脅威ではそういう嗜好品の作物・植物類を作るよりもジャガイモの方など実際に食える作物を優先する。 今吸っているタバコも軍人だから比較的簡単に手に入るのであり、イギリスやドイツ本国辺りでは一般向けの酒類でさえ配給の動きがある。 ソビエト連邦に至っては聞きたくないが人を、いや、考えたくない。 だから、まあ、多少物価が高く、ほぼ全ての日本人に敵意を向けられるとは言え、この日本は文字通りで楽園であり天国だ。 適正価格で市場に商品が庶民が買える値段で流通している。 これだけでこの国が事実上の世界最大の列強だとわかる。 それを、あの阿呆な大尉は。 「ゲーリング国家元帥の腰巾着だったグレムト・ゲールが降格させられてテキサス共和国に流されるらしい。 しかもパナマ運河経由だから一度も本国には帰らん、日本から直行だ」 ゲール、ああ、あいつか。 嫌味な野郎だ。 栄光あるドイツ陸軍軍人でありながら軍を役所仕事であり、自分たちは役人だと言った戦友とは到底呼べんおべっか野郎。 「それは喜ばしい」 シュルツは彼のあの態度が我慢ならない。 自分だけならともかく、軍とも彼とも無関係なオーストリア人の恋人であるライザをオーストリア人だと貶なすだけでなく、更には伝統あるプロイセン軍人の誇りを持たない役人軍人。 たしかに正規軍といえども突き詰めてしまえば役所だ。 それは否定しない。 だが、同僚、いいや戦友らが今もなお世界中で銃を持って戦っている中でこの安全な極東の島国の、しかも更に治外法権が確立している大使館で酔って自慢げに言っていい言葉ではない。 それは海軍でエリート士官でもあるディッツ中尉も同じ。 彼も清々している。 「それと、あそこの部屋で演説に全身全霊を込めている大尉の事なんだが、知っているかね?」 「は?」 シュルツは聞く。 ゴシップの類、だな。 そう直感が告げる。 そして直感は当たる。 「ああ、あのカウフマン大尉だがな、彼は武装親衛隊大尉のくせに実は日独混血児らしい。 だから、オーストリア出身の君よりも立場が悪い。 私や君は大ドイツ主義の括りとヒトラー総統の出身地からみれば一応は「純潔」のドイツ人だ。 ああ、悪くしないでくれ、私はオーストリア人や東プロイセンだからと差別したくない。 だがな」 そうか。 ディッツ中尉の言いたい事がわかる。 373 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 15 27 「そうですね、中尉。 彼は混血児であるが故にあそこまでこの大日本帝国と日本人を否定するのですか。 オーストリア人の私や私の恋人、先の大戦で敗北した海軍にユダヤ人らを目の敵にするのは、そうしないと自分のアイデンティティを確保できないから」 そういう事だ。 可哀想な人物ではある。 そう考えれば。 ならば尚更だ。 尤もそれ以上に不幸な人間はこの世界には数多いる。 というかそちらが絶対多数派になる。 だから同情はしない。 深入りもしない。 当たり前だ、彼は腐っても差別主義のナチス・ドイツ武装親衛隊所属。 これが免罪符にはならん。 「だからお互いに深入りはしないでおこう」 「ええ、中尉の言うとおりですな。 下手に密命を帯びた親衛隊に関わるとろくなことにはならない」 それはシュルツの東部戦線での経験。 ディッツもカナリア沖海戦で大日本帝国の恐ろしさを知っていた。 その恐るべき東洋人の本国で20名未満で武器を持って軍事作戦。 しかも重要人物であろう日本人強制拉致を企てるなど、はっきり言って頭が狂ってるとしか言い様がない。 「おや、そろそろお出かけのようだ」 「では、この寒い廊下での見張り番、もとい、護衛任務も終わりですか。 ああ、そうだ実は娘ができたらヒルデと名付けるつもりです」 気を紛らわす言葉。 シュルツもドイツ本国から連れてきた恋人ライザがいる。 夜の相手には事欠かない。 「知っているかね、シュルツ少尉。そういう事をこういう場で言う、日本人は「フラグを立てる」と言って忌み嫌うそうだ」 ちょっとからかうガル・ディッツ中尉。 あの日本人が忌み嫌うという事は本当にまずそうな気配がするな。 下手な預言書よりタチが悪いし本格的だ。 「そ、そうですか」 流石はドイツ大使館に派遣された海軍軍人。 その海軍比率と戦力火が絶望的な劣勢ゆえにか、よく日本の習慣を知っている。 開き直りか? 「因みに私はメルダと名付けるつもりだ。 何故か知らんが将来名前通りに空軍に入りそうなんだが・・・・まあ、空軍が如何に実力主義でも女パイロットなど選ばんだろう。 それにまだ婚約発表をしてもいないが、帰国したら相手を問答無用でベッドに押し倒すつもりだよ」 「中尉は気が早いですね、そして男らしい」 二人の軍人が去る。 そして深刻な表情をしてアドルフ・カウフマンが部下たちと共に立ち去っていった。 彼らは一隻の船を目指す。 その名前は「平安丸」。 大韓帝国の国籍を持つ、今のところは大日本帝国も強制接収してない船だった。 374 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 15 58 同日・首相官邸・特別尋問室 本来であれば一生使われない筈だった。 増築工事と建設時に夢幻会の建築設計士のどこかのだれかがノリで設計に組み込んだ、「24」をモチーフにした特殊ガラス張りの部屋。 そこには菊池雅行が一人座っている。 「彼か?」 部屋のガラス越しにいるのはシティ・ハンターである冴羽?。 冴羽?の監視役にして案内役である新城直衛中佐。 「みらい」担当の最高責任者となっている草加拓海中佐。 情報部と警察からは碇玄道に冬月幸三。 その冷たい視線を浴び続ける菊池。 『私は大日本帝国と取引したい』 そう言った。 は、何を今更。 もうお前にそんな価値はない。 バカを言うな、テロリスト集団に妥協すると思うか? などなど。 だが、警察の尋問の中で必死に弁護した。 自分ではない。 梅津艦長でも爆破事件の犯人である角松ニ佐でもない。 死んだ尾栗でもなかった。 『俺じゃない! 俺は殺されてもいい・・・・だが、みらいの乗組員で生き残った人間には最後の機会を与えてくれ!! あれは、あの発言もその後の抵抗も何もかも俺たち幹部の責任だ、幹部だけの独断だ!! 残っていた人間は何も知らないんだ!! 本当だ!! 信じてくれ!!! 爆破事件があった事も。梅津の暴走も、角松の凶行も何も知らない・・・・責任は艦長を止められなかった俺にある。 だから頼む、生き残っている部下たちだけは・・・・最後の温情を与えてくれないか!!』 ふざけるなぁ!! 黙れ売国奴!! 貴様、恥を知れ!! 竹刀が彼の胴体に、頭に何発も叩き込まれる。 だが、同じことを気絶するまで、いいや、気絶から覚めても彼は訴え続けた。 『俺は死ぬだろう。 だから、草加中佐に伝えてくれ。 俺の知識を全て草加中佐に渡す。全てだ、全て。 そのあとで殺されていい。 だが、その前に頼む。 乗組員らに最後の説得する機会をくれ。どこでもいい。 俺は流刑地に送られてもいい。ソ連に奴隷として売られれても文句は言わない。 だが、あいつらは何も知らなかったんだ・・・・知らない・・・・だから!!』 その言葉は心からの叫び。 魂の叫び。 胸の中から出てきた菊池の咆哮。 尋問官達は焦った。ここまで言うのだ。ここまで頼むのだ。ここまで願うのだ。 我々一般の職員は国家の秘事を何も知らない、知ってはならない。 だが、それで知りませんでしたと言って一時の感情で彼を殺して大丈夫なのだろうか、と。 少なくとも彼は反乱を起こすまでは海軍少佐なのだ。 軍内部でもエリートだと聞いた。 その彼が艦長を止められなかったのならある意味で仕方ない状況ではないのだろうか? そう思うと殴りつける竹刀も少しずつ弱まる。 血が出ている。 腕も折れている。 足も内出血で紫色だ。 歯もかけた。 それでも菊池は部下たちの無実を訴え続ける。 そして。 それはある意味で実を結ぶ。 夢幻会転生者の大半は民間人。それも平成の民間人であり、平和な日本国国民だ。 拷問や超法的処置など実はしたくない。というか、どうして良いかわからない。 だから専門の碇に丸投げして、彼は妻と息子が無事に碇宗家の屋敷に避難できたから殆どもうやる気は無い。 つまり、どうでも良かったのだ。 彼の愛する息子、碇真司と妻である碇結の将来は少なくとも四半世紀は安泰。 辻大臣からも報酬として息子宛に学習院学園の幼年学部から大学部まで入学・在籍許可、つまり特待生としての待遇を手に入れた。 辻と碇、彼らの重視する教育も問題はない。 だから、碇玄道にとっては「みらい乗組員」の「未来」など心底どうでも良かった。 それが、つまり、碇の無関心が、ここで菊池を助ける。 375 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 16 29 「草加中佐、私は海軍の造詣は深くない。 だから「みらい」を知っている君が判断をくだせ」 碇が言う命令のような口調だ。が、そこに真剣味は感じられない。 (ふむ、最後の後始末はしておくが、真司と結のためだな。まあ仕方ないか) 菊池への対処は草加に委ねた。 また、竹中も義理と責任を果たす。 守るといったのに守れなかった、その責任を果たすのだ。竹中と冬月も彼らなりに。 「彼をどうするか、それは君が決めてくれ」 草加拓海は「みらい」艦長室に保管してあり、私物として自分が没収したアメリカ合衆国のベレッタを隣で無言の冴羽?に渡す。 冴羽は無関心を装いつつも、部屋に入る。 ベレッタを見る菊池は一瞬で理解した。 この銃は本来誰の持ち物で、この男が何故これ程冷たい視線を俺に向けているのか。 (そうだ、これはあの大震災で見た目だ。 テロで家族を失った人々がそのテロ組織の犯行予告や宣言に対して向ける復讐の炎を宿した冷徹な目) なんとか視界を回復させる菊池。 それに冴羽あるものを突き付ける。 冴羽が全焼したキャッツ・アイ。 思い出の家で、なんとか奇跡的に焼けなかった写真、キャッツ・アイとファルコン、自分、香、アシャン、槇村、冴子の集合写真を菊池に見せる。 ドアを閉めた。 スピーカー越しに尋問官らが冴羽?の独白を聞くことになる。 菊池は両手を後ろで縛られ、ひび割れしたメガネをかけたまま、パイプしかない座る場所が空洞のクッションがない椅子に固定されている。 「俺を見ろ、この写真も」 冴羽が菊池に言う。 なんとか冴羽の顔を見る菊池。 「この女性は香、子供はシャンイン。 俺の妻と娘だ。どっちも軍人じゃない。 銃を握ったことさえない。 香は赤十字として戦争の最前線で人間を助ける為に地獄を見て、それでも今も生きて前を向いている。 アシャンは本当の娘じゃない。でも俺の娘だ。 あの子は両親と叔父を満州平野の戦闘で亡くした。まだたったの3歳で、だ。 親と死に別れるにはまだ若すぎる。 なのに、神様って理不尽で非情で、残忍なんだな。 アシャンは親を失った。それも自分の目の前で。 その記憶は・・・・幸か不幸か知らないが、忘れている。 ただ、それでも夜中にうなされ、泣きながら香や俺に抱きついてくる。 怖い、怖い、怖い、パーパ、マーマ、助けて、どこにもいかないで、私をおいていかないで、一人にしないで、と泣きそうな顔で」 そう、あの日も。 香が爆弾テロにあってアシャンを庇ったあの瞬間も同じ。 知らず知らずの内に銃口が菊池の額にまで持ち上がる。 押し付ける。 力の限り。 その顔は無表情。 なにも写してない。 瞳も焦点が定まってない。 虚ろな声、虚ろな瞳。 「お前、どう責任を取るつもりだ? あの二人の顔に一生消えない傷跡をつけた。 香は娘を失う恐怖を知った。 アシャンはもう一度母親を失う恐怖を知ってしまった。 恐らく本当の父親たちの最期も思い出すだろう。 俺はいい。俺は仕方ない。どこでどんな死に方をしても仕方ない。 覚悟が出来てるかどうかは知らん。だが、納得はする。 だが、あの二人にそんな責任もあんな傷をつけられる理由も謂れもない、そうだろう?」 激情に駆られて冴羽は持っている銃の引き金を引き、その弾丸を菊池に発砲するだろうか? それはガラス越しにいる草加や碇、冬月らにはわからない。 ただ言えること。 それは彼を止める気はないし、止められるはずもないという事実のみ。 「答えろ、菊池さん」 376 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 16 59 沈黙。 いや、直ぐに菊池は言った。 「あなたの問いに答える」 そうか。 撃鉄が引き起こされる。 引き金に指がかかる。 「全て私の責任であり失態だ。だから」 「だから?」 菊池は一言だけ言った。 冴羽の目を見て。 躊躇なく。 「撃て」 と。 「・・・・・・・・・・」 冴羽の無言。 一瞬だが永遠に近い空白。沈黙。 恐ろしいまでの表情がない表情。 冴羽は、引き金に指をかける。 力を込める。 「そうか、分かった」 ダン。 銃声が鳴り響いた。 銃口から銃弾が発射され、空薬莢が地面に転がる。 菊池は微動だにしない。 何人かは席を立った。 急いで部屋に入る。 「なら、あんたには責任を俺の前で取ってもらう」 「こ、殺さなかったのか?」 冬月が尋ねる。 そう、菊池は生きていた。 弾丸は彼の顔から数センチ右にそれて、いいや、敢えてずれて着弾。 生きた菊池雅行を確保する警備員。 冴羽は碇に向かって言う。 「勘違いするなよ、冬月さん。 俺は角松洋介という男だけは直接殺す。必ず殺す。 そして、こいつにも梅津三郎とかいう理想しか知らないクズにもそれ相応の責任をとってもらう」 銃の安全装置をかけて、冬月に返す冴羽。 彼はさろうとしていた。 もう、ここには用はない。 今のところは。 「責任?」 「ほう? 好奇の視線や様々な困惑が周囲を満たす。 「どうする気だ?」 「何が願いだ?」 「何を望むんだ?」 周囲の雑音がやかましい。 「何を望みますか? 冴羽さん」 草加が帰ろうとする聞いてきた。 冴羽?は悪魔も逃げ出すような、いいや、悪魔が見惚れる様な笑顔で言った。 377 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 21 00 「この菊池という男に、あの銃を使わせて、本来の持ち主である梅津三郎を殺させろ」 底冷えするような声が草加の鼓膜に到達する。 「俺の眼前で」 それで菊池は生かしていい。 でなければ首相官邸が閣僚もろとも半壊するだろうな。 「はは、下手な脅しか、シティ・ハンター?」 呟きが、本気の独り言が聞こえた新城や草加たち。 いち早く回復した新城直衛の楽しそうな質問だった。 シティ・ハンター冴羽?はポケットに手を入れて同じく楽しげに言う。 「違う、純然たる事実だ。新城中佐」 素晴らしい、この男、国家を、しかも世界最強となった不気味な巨大帝国を敵にしても己の復讐をやり遂げる気だ。 実に素晴らしい。 糞のようなクズどもの集まりである我々には相応しい最高の舞台俳優だ。 ああ、それに毒されている自分もクズだな。 (家族、そう、家族のため、に、だ。 ここにいる人間が自分の家族のために生きている。 僕も、草加も、殺されかけている菊池も、碇、そしてこのシティ・ハンター冴羽?も) だからかな。 冴羽?も草加拓海も碇玄道も心底嫌いになれないのは。 新城は葉巻を取り出して火をつける。 キューバ産。もう生きている間には再建されない国家の一つだろう。 或いは永遠に消えてなくなった国家かもしれない。 歴史にしか存在しない国家だな。 「草加中佐、あの軍艦の乗組員全員にはまだ利用価値がある。 この菊池少佐の頭脳にある情報にも利用価値と付加価値はあろう。 ここは全て利用してから、その功績で「みらい」の阿呆の幾人かには情緒酌量の余地をつけても問題ないのではないかな?」 新城は草加に言う。 言外に、これ以上国内で大規模テロなどされてはマズイ。 特にこの狂犬を野に放つのだけはやめろ、と。 彼は嗅ぎ取っていた。 シティ・ハンターという男の裏にある自分と同じ狂気を。 「私も同意見だ。彼を捉えるだけで何人もの公安委員会の腕利きが再起不能に追い込まれている」 「それに、OSSといえばアメリカ合衆国が誇った最優秀な情報工作員。冗談抜きに「みらい」の素人は比べ物にもならないでしょう」 冬月と新城の意見に草加も賛成する。 わかっている。 あの目は本気である。 かつて、「大和」に乗り込んできた「角松洋介」と同じだ。 「ええ、少なくとも彼の納得する環境を作ることだけは最低限しないと。 私も今の首相を暗殺されるのだけは嫌ですから」 草加はこうも思う。 (ジパングの為には彼も、首相も、ここにいる誰もが欠けてはならない家族なのだから) 378 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 21 45 1945年10月6日 駒城宗家 客間 夕刻 「周囲を新選組が囲んでいるとは、物騒な世の中ねぇ あ、なおちゃん、それまだ熱いわよ?」 客間の茶室で抹茶をたてるのは駒城蓮乃。 目の前には軍務を終えて久しぶりに千早と遊びに来た新城直衛と愛人のユーリア、それに苦労性にしてツァーラ株式会社(亡命欧州人主体の民間軍事会社=傭兵の下請け会社)の社長がいる。 クラウス・フォン・メレンティンが社長となり、副社長にして最初の教え子がユーリア。 彼ら二人から始まった会社は第二次世界大戦で一気に拡大。 特に北米分割と白人優位主義と日本台頭という矛盾に加えてカルフォルニア駐留軍を用意する可能性が出てきたと判断した夢幻会。 だが、黄色人種の正規軍を恒久的に駐留させることは白人社会の反発を招く。これは感情論であり理想論や理性では最早どうしようもない。 ならば、亡国となった国籍の白人らで負担を肩代わりさせようというのが外務省から提案されて、密かに閣議で可決された。 その尖兵となるのが海援隊が母体で、この陸戦部門を統括している帰化した亡命ロシア人部隊司令官のクラウス・フォン・メレンティン少将が、彼が自ら訓練と指揮をしていた義勇亡命ロシア人部隊。 今は大日本帝国客員大佐の身分で後輩の指導にあたっていたが、この度大日本帝国情報部のダミー会社の社長に就任した。 まあ、彼の危機感と趣味で鍛えた副社長のユーリア・ロマノフ・ツァーラは白兵戦で大の男、しかもアメリカ海兵隊の鬼軍曹を失神させた。どうでもいいが。 人殺しの経験もないし、その覚悟も気概もないが、逆に言えばそれだけの実力はある。 実は英国諜報部はMI機関の00エージェント、空席になっているロシア系イギリス人として009にスカウトしたいほど逸材だった。 まあ、新城直衛の愛人なのだ。悪いが推して知るべし、だろう。 ただ、駒城蓮乃、新城直衛、碇結、クラウス、愛称がサーシャという後輩、子猫の千早以外には本音とその本性はを見せない、深淵の淑女である。 「はは、蓮乃のお茶なら例え沸騰していても直衛は飲むわよ」 今も護衛の兵士や警備員が日本庭園の庭にいる。 せっかくの景色が台無し。 白い息を吐いている拳銃と日本刀で武装した黒い制服に「誠」の腕章をつけた新選組に、駒城家の雇った退役軍人中心の警備員が数名巡回しているのだから。 「結は息子さんがいるから碇宗家から外出禁止なのね」 碇ら各地の華族や大企業も似た様な警戒態勢。 それ以外にも日本最先端技術を支える下町の中小企業にも警察と軍が人員を派遣している。 予算を食うが、現政権らは知っていた。 彼らこそが日本の至宝であり、代わりがない大日本帝国の屋台骨である事を。 「そうよ、私も結ちゃんもユーリアちゃんみたいに強くないし。 結ちゃんの息子の真司君はまだ1歳にもなってないから。 それに私もそろそろ外出を控えないと」 そういって自分のお腹を撫でる。 それが分からぬマヌケはこの場にはいない。新城直衛以外。 「え?」 新城は何が何だか意味がわからないという顔をする。 呆れたのは全員。 「新城殿」 「何です、クラウスさん?」 クラウスが当たり障りのない言葉で説明した。 曰く、蓮乃様はご懐妊されているのだ、と。 その言葉に一気に赤面する蓮乃と直衛。 何故あんたが赤面するのだ、とはクラウスは思ったが全く表情にさえ出さない。 「あ、いや、そ、それは、それはすごい!!」 新城が立ち上がって、深々と頭を畳につける。 「おめでとうございます、義姉さん」 ここまで改まった上に恐縮する新城直衛は蓮乃以外見たことない。 だから、だろう。 蓮乃が呼んだ人物らが案内してきた警備兵と一緒に唖然として、自らの持っている印象とは数万光年は彼方にある陸軍近衛師団特別連隊「剣虎」の指揮官である中佐の姿を唖然と見ている。 全員、一切の例外がなく。 「あ、え?」 新城が顔を上げると見知った顔が数名。 そう、数名の知っている顔。やばいな、これは。 (口を封じるか) 物騒な思考回路。 379 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 22 18 「は、はは、ひ、久しいな、新城中佐」 「あ、あの、僕は何も見てませんから、ね? だからその視線をやめてください! 僕はいいからサーシャは殺さないで!!」 「ま、ま、ま、守、お、落ち着け、落ち着くんだ!! これは罠だ。あの「みらい」艦橋で尾栗を殺そうとした時と同じだ!! 油断するな!!」 相手は海軍軍令部艦政本部本部長の笹嶋定信大佐。 次にいるのは副官であるアンドレイ・バラノヴィッチ・コンドラチェンコ中尉(新城が自身のコネを最大限に利用して赴任させた、明治以降、近代日本軍史上初めての純粋な日本人以外の近衛師団所属、ただしこれ以上の昇進はない)。 それに「みらい」制圧時に偉そうに説教をした相手である、藤堂守中尉。 藤堂守のとなりにいる女性は副官の妹アレクサンドラ・スターリナ・コンドラチェンコ、通称サーシャかな?。 それに藤堂守の父親であり戦艦大和の艤装官最高責任者である藤堂明大佐。 「君らは・・・・」 僕に喧嘩を売っているのだな? 僕に喧嘩を買えというのだな? よろしい、ならば戦争だ。一心不乱の大戦争だ!! 「「「「「「ま!!」」」」」 一気に殺気を込めて立ち上がった新城に威圧される面々。 拳に力が入る。 だが、今にも殴りかかるべく、軍隊教育で鍛えられた体が動き出した瞬間。 「待ちなさい、なおちゃん」 静かな声。 お茶を飲む女性はゆっくりと憂いを帯びた表情で新城直衛を止めた。 そう、誰もが止められない狂気の沙汰を身にまとう中佐を。 「私の前で暴力を振るうの?」 それは新城直衛にとって原爆を数千発落とされるより威力がある。 ただ一言。 たった一言。 それであの悪魔の化身と大陸で恐怖を撒き散らした「剣虎」の指揮官が止まる。 「ごめんなさい、義姉さん」 「わかればいいのよ。私は知っている、なおちゃんは優しいから」 これはダメだ。 はぁと全員がため息や安堵の息をする。 指定されていた座椅子に座ると、全員の前に鍋料理が持ってこられる。 「ちゃんこ鍋ね。みんな、早く食べましょう。警備の人たちも交代してくださいね」 蓮乃の声。 そこから平和な日常が始まる。 日本酒やウォッカ、ワイン、焼酎、季節のジュースを女中たちが配る。 箸が進み、様々な話題で盛り上がる面々。 「そう言えば何故ここに笹嶋大佐が?」 彼は駒城や華族らとは関係ない平民出身の軍人だが? 新城の疑問に笹嶋は隠すこともなく答えた。 「ああ、実は駒城家と実家が懇意にしているんだ。 日本海運の課長の兄が大陸の物資輸入の件でお礼の挨拶に行くからお前も付いてこい、と。 既に知っているだろう? 例の爆破テロ事件以来夜間交通規制が敷かれていて民間人が8時以降外出するにはどうしても軍か警察の許可書ないしは同伴が必要だからな」 そうか、あの事件はそんな影響を。 角松らの足取りが未だつかめない。 警察も軍も必死だ。 いや、政府上層部は掴んでいるかもしれないが、僕が制圧したあの「みらい」関連なら慎重になるか。 だから笹嶋さんは兄上殿にダシに使われた訳だ。 「で、先程から親しそうな彼は? 海軍の礼装ですが、階級から見て大型戦闘艦の艦長でしょうか?」 僕も草加を見ているし、陸軍とは言え同じ帝国軍。 だからわかる。 彼は海の男で海上勤務が長い海軍の佐官だ。 「はじめまして、新城直衛中佐。 詳しくは知らんが息子の藤堂守が世話になったようだ。 帰ってきたバカ息子は男の顔をしていたよ。甘えが抜けていた。 ありがとう。 私は藤堂明大佐。 軍機につき名前は言えんが数年以内にある軍艦の艦長になる予定だ。 笹嶋大佐とは同期であり現在の仕事仲間だ」 380 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 22 50 藤堂守、ああ、あいつか。とういうか、あいつはこの如何にも切れ者みたいな人間の息子なのか。 それにしては情けなかったが? いいや、パイロットだから空だと違うのかもしれない。 というか、軍の発表ではインド洋演習でスピットファイア6機を撃墜しているし、ハワイ沖海戦でも戦艦に魚雷を命中させていた。 ならば、海や空だと違うのだろう。 そして僕の隣でそわそわしている白系ロシア人の副官を紹介しておこう。 彼の出世や保身のためにもパイプは多い方が良いしな。 「彼はアンドレイ・バラノヴィッチ・コンドラチェンコ中尉です。 コンドラチェンコ中尉、目前で酒を飲んでいるのが笹嶋大佐で、サイダーを飲んでいるのが藤堂大佐である。 付け加えるならば二人共に海軍主流派閥で、遠くない未来に我らが帝国海軍の将官になるだろう。 お二人共、彼は特殊部隊上がりの叩き上げで、いざと言う時の陸戦には非常に頼りになる。僕と違い。 君も顔を売っておいて損はない御仁だ。中尉、さあ挨拶を」 立ち上がり敬礼する中尉。 同じく立ち上がり答礼する二人の大佐。 着席。 「アンドレイ・バラノヴィッチ・コンドラチェンコ中尉です、笹嶋大佐、藤堂大佐。 藤堂大佐とは以前にもお会いしております、新城中佐。 特に藤堂大佐のご子息とは浅はかならぬ縁です」 何? そいつは初耳だが? 困惑する僕の顔を見たのだろう、藤堂大佐が助け舟を出す。 息子に。 端の方で中尉の妹とイチャついてる。 全く。 「あ、ああ。そうか中佐は知らんか。うん、当然だな よし、おい、守、彼に自分で説明をしろ」 そう言われて藤堂守らが来る。 僕にタバコを渡して火をつける。 一服。 「中佐、こちらがサーシャです」 「アレクサンドラ・スターリナ・コンドラチェンコです。 兄と夫がお世話になっております。 ユーリア先輩の会社で日本人向けにロシア語教師と翻訳の仕事をしております」 あれ? 何か言い方を間違えたのか? たしかに流暢な日本語だと思ったと思えたが? 「夫?」 この間の藤堂中尉の醜態を見るからに、まだ単なる女性だと思っていたが? あれから一週間も経過してないのに? え、夫? 家族なのか? 「実は昨日入籍しました。12月に正ロシア教会で結婚式を挙げます」 あ、なるほど。 こいつ。 「ほう、そいつは素敵だな」 珍しく心か賛辞を送る。 祝い事を貶すほど新城直衛は腐ってない。 「それに私は今妊娠しております。医者の見立てでは2ヶ月です。 その事をユーリア先輩と蓮乃先輩に申したら、せっかく東京に行くのだから報告会を兼ねて女同士でお話をしようと」 見かけによらず藤堂守は手が早い、という事か。 妹もまだ20代で叔母さんだ、弟に至っては10代で叔父さんだ。 小遣いをせびられるだろう。 と、藤堂明大佐は思った。 381 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 23 22 まあ、辻大臣らの政策でこの国は英独に比べて女性の社会進出は遅れている。 英独は人口の半数を「仕事をしない、国家にとっての無駄飯食い」として家庭にとどめるという発想が無い。 彼らにはそんな贅沢など許されないのだから。 既に国家財政は火の車。日本ほど余裕はなかった。 「さて、蓮乃、サーシャ、行きましょう。いわゆる女子会よ、直衛」 「ああ、それはいい」 そう言ってワインとウォッカ酒瓶片手に去ろうとするユーリア。 肌着が汗ばんでいる。 女中がタオルを渡す。 それみて、クラウスが一言。 「はは、姫様も早くこのクラウスに孫を見せて頂きたいものです。 そう、性格が穏やかで親に似てない孫の顔を見たい、気難しい男女に気苦労で殺される前に」 と。 「・・・・・・・・・・・・クラウスさん」 「クラウス、だからいつも聞くのだけれど」 「「どう言う意味?」」 しれっとして彼は述べる。 「無論、悪意はありません」 382 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 28 58 1945年10月7日 15時00分 警視庁 特別監房 「?」 ドアが開いた。 そこには海軍少佐の軍服を、そう、彼にとっては旧軍の軍服を来ている海上自衛隊佐官である菊池がいる。 「梅津一佐、お時間です」 後ろには数名の警察官。 官僚、軍人。 そして、冷たい目線でこちらを見るトレンチコートの視線が鋭い男。 「彼は冴羽と言います。 そして、警察の方々に公安委員会の竹中さん」 「何の話だ? 菊池三佐? 何の真似だ?」 彼は無表情にこう告げた。 「梅津、いいえ、梅津一佐、大日本帝国は貴方に最後の敬意を評します。 海上自衛官、つまり日本国の軍人として処遇する」 それは違う。 そうだ、そこを違えては「みらい」が「みらい」としてなくなる。 我々がこの世界で「みらい」を守る意味が無くなってしまう。 「待て、菊池。海上自衛官は軍人ではないぞ!! 我らは自衛官だ、軍人じゃない。大日本帝国に毒されるな!!」 やつれた男のしゃがれた叫び。 だが、誰にも届かない。 菊池にも、永遠に。 「梅津三郎、あなたの言う「みらい」とは何です?」 え? 「聞こえませんでしか? それとも聞きたくないのですか? もう一度だけ聞きます」 あなたにとって「みらい」とは何ですか? 「な? 菊池三佐、それは決まっているだろう?」 言うまでも無いことだ。 我々の中でそれは決まっているはずだ。 「菊池三佐、何を言うんだ? 何故旧軍の軍服を着て私の前に立つ? 「みらい」の一員である君にも分かるだろう? いいや、分からなければおかしい。 それに、角松はこの世界を見てもわかっていたではないか?」 「我々の異質さと恐ろしさ、そして守るべき「みらい」という存在を、そうではないか!?」 目の前の男は自分に同意を求めている。 だが、共感も同意もしない。 それはそうだ、彼の決断が「みらい」と「帝国」を「戦争状態」に追い込んでしまった。 だから、もう、彼を艦長とは呼ばない。 顔を横に振る菊池。 彼は言った。 そう、遂に彼も決断した。 (これが私のルビコン川だったか。後は最後まで征くのみ) 383 :ルルブ:2015/02/10(火) 01 36 22 今はなき防衛省は過ちを犯していた。 思想的に問題のある人間を軍艦の艦長に就任させたりミサイルの発射ボタンを預けてはいけない。 国家や思想に忠誠を尽くすまでは仕方ない。 しかし、自ら描いた理想郷にたどり着く為に、「理想」と「信念」に溺れて溺死する。 仲間もろとも。 死ぬなら「たった一人で誰にも迷惑をかけない場所で」死ぬべきなのだ。 決して、一隻の船を預かる人間がやって良いことではなかった。 俺も、この男を殺してでも部下を守るべきだった。 シンガポール沖で新城直衛が言ったように。 シンガポール沖で草加拓海が頼ったように。 もう、何もかも遅かったが。 「梅津一佐の言う、或いは望む「みらい」とは結局何だったのですか? 我々がいた世界の日本ですか? 軍艦としての「みらい」ですか? 252名の乗組員と一緒に乗っていたカメラマンの人生ですか? 彼らの未来、現在、過去でしたか?」 ガチャン。 何の音かと目を細める梅津はようやく気がついた。 菊池が自分の拳銃、シンガポールで預けていたあのベレッタを持っていた事を。 そして。 「理想ですか? 憲法ですか? 宗教ですか? 経典ですか? それとも本来存在するべき「平成」へと繋がる「未来」という預言書でしたか? あるいは航路図ですか? あなたの頭の中だけにある「みらい」の「未来」への航海予定表ですか?」 菊池はゆっくりと銃口を上げる。 構える。 梅津が息を呑む。 冴羽が見る。 何故か冷静だった。これほど冷静なのはこの世界に来てから初めてだ。 菊池はそう思った。 「あなたのせいで尾栗を含む31人があの夜に「みらい」で死んだ。 あなたがあの決断をあの時に下したせいで、「みらい」は戦争に巻き込まれ、敗戦し、占領され、大日本帝国に無条件降伏した。 まるであなたがこだわった歴史通りの大日本帝国、その太平洋戦争の過程そのままに」 冴羽の視線が痛い。 さっさとやれ、と。 「梅津三郎、もう「みらい」は存在しないのですよ。この世界のどこにも」 ま。 「ですがあなたの嫌う大日本帝国、その帝国軍のあなたに対する最後の温情です。 海上自衛官、いいえ、この世界ではあなたが最後まで認めないであろう軍人として責任をとってもらいます。 梅津三郎一佐、私、菊池雅行大日本帝国海軍少佐があなたに対して銃殺刑を執行する。 軍人として人生を・・・・」 構える。 狙う。 「終えてください」 ダン。 空薬莢が排出され、銃声が響き、銃がスライドされた。 ベレッタから火薬が燃焼した独特の匂いがする。 そう、弾丸は椅子に座っていた梅津三郎の額を貫いた。 血しぶきが壁一面に広がり、血の湖ができた。 既に物言わぬ死体となった梅津に背を向けて、菊池は最後の最後で「みらい」に乗艦していた海上自衛官として別れの挨拶を述べる。 「さようなら、艦長」 この日、菊池雅行という日本国海上自衛官三佐は死んだ。 そして、菊池雅行という大日本帝国海軍少佐が生まれた。 「冴羽さん、これでいいか?」 「ああ、とりあえずは一人目だ、だ」 ベレッタを返す菊池。受け取る冴羽。 梅津三郎の死は大々的に報道される。 NHKの公共放送は夜の定期ニュースで発表する。 『大日本帝国政府公表です、さきほど梅津三郎なるテロリスト容疑者を横須賀で拘束。 が、脱走を試みた為、止むなく帝国海軍少佐、菊池雅行氏が射殺。 詳細は翌朝の海軍省の公式見解を待っていただきたいとのことです』 「第十八話 完 」
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人権思想と日本国憲法 人権の歴史と日本国憲法の制定 人権思想と人権の歴史 1789年のフランス革命の際のフランス人権宣言にて、「人は生まれながら、自由で平等な権利を持つ。」と宣言。 第一次世界大戦において降伏、その後国内でドイツ革命が発生した1919年、革命を受けてワイマール憲法は制定された。ワイマール憲法では、「人間に値する生存」つまり、今でいう社会権(生存権)を保証した最初の憲法である。 日本の近代化 1889年、大日本帝国憲法が制定される。国民の権利は「臣民の権利」として法律で制限されていた。 日本国憲法 戦後初の議会で憲法改正案可決。1946年11月3日に公布、翌年5月3日に施行。 日本国憲法 国の最高法規 憲法は国の最高法規であり、憲法に違反する法律や命令は無効である。それにより、国家権力の統制、人権の保護を行う。 憲法改正は国会の発議・国民投票で決まる。 三つの基本原理 国民主権 基本的人権の尊重 平和主義 天皇は象徴とされ、内閣の助言と承認が必要な、国事行為のみを行うこととする。 平和主義 憲法第9条 戦争の放棄 戦力の放棄 交戦権の否認 第二次世界大戦の反省で平和主義を徹底。 防衛 日米安全保障条約により、アメリカ軍が日本に駐留。んま、いざとなったときは助けてくれるっぽい。 警察予備隊が発達した、自衛隊も設置。有数の軍事力があるっぽい。 核兵器に対し、 持たず 作らず 持ち込まず の非核三原則をとる。
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天皇大権:EX (神武天皇(リメイク)) 現人神たる天皇が有する権能。 様々な効果を齎すが、サーヴァントとしてのセイバーは主に自軍全体に強力な"加護"を授ける統帥権、まつろわぬ者共に強烈な"重圧"を掛ける非常大権を行使する。 後世の大日本帝国時代に明文化され、現代では失われた大権だが、初代天皇であるセイバーはEXランクで本スキルを有する。 天皇大権:C (道鏡) 現人神たる天皇が有する権能。 様々な効果を齎すが、アルターエゴの場合は主に令呪による命令の強化または破却を行う立法大権を行使する。 本来は"戦前"の歴代天皇しか持ち得ない大権だが、宝具『八幡宮偽宣之帝』により例外的に獲得する。
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846 :ひゅうが:2012/01/14(土) 00 19 00 つづいてしまったネタ 接触1~自由惑星同盟サイド~ ――宇宙暦788(帝国暦479)年 銀河系 いて座(サジタリウス)腕 バーラト星系 惑星ハイネセン 自由惑星同盟 最高評議会 この年、自由惑星同盟は恐るべき激震に襲われることになる。 「では、報告を聞こうか。」 最高評議会議長は、円卓の前で腕を組んだ。 「はい。」 辺境星域担当特命委員長という名の閑職についている男は、胃酸が口元にまで逆流してきそうなのを堪えながら報告書(人類はついに「紙」を駆逐できなかった)を手にとった。 「本年7月7日未明、辺境星域エア星域の重力溜りに調査のために放たれた無人長距離偵察プローブが明らかに人工の信号を探知しました。 信号傍受の結果、コードは旧銀河連邦時代の標準通信コード・・・我々の使用しているそれの2つほど前のバージョンでした。 電子頭脳の記録称号の結果、言語体系コードJ、国家コードJA-001が付けられており、また旧連邦公用語(テラン)の文章列を確認しました。」 「内容は?」 ここにきている人間の半数程度はすでにその中身を知っている。 しかし、議長はそれを知らない委員たちにも訊かせるために、順をおって説明を要求した。 「はい。『本宙域は、大日本帝国宇宙軍の防衛識別圏である。直ちに停船し、所属を明らかにされたい――こちらは大日本帝国宇宙軍所属 巡航偵察艦「三瀬」。』と。」 「大日本帝国・・・だと?」 首を捻る委員たちの中から、ロイヤル・サンフォード教育委員長が立ちあがった。 「知っているのかね?」 「はい。旧銀河連邦加盟国のひとつで、ほら、あのルドルフの連邦議会解散後に生じた『第1次大弾圧』の際に討伐を受けたといわれる星間国家です。当時の支配星域は現在の帝国辺境で、あの『長征1万光年』にはかの国が残した記録が大いに参考になったという記録が残っています。」 ほう・・・と委員たちは驚く。 「サンフォード委員長の仰る通りです。われわれ、辺境宙域探査局は偵察プローブの母船『アルゴノーツ12号』からの報告を受け、重力溜り――いえ、エア星域回廊とでもいうべき宙域に接近。当該宇宙艦との接触に成功しております。これは、議長と国防委員長許可のもと、です。」 ざわめきが大きくなった。 越権行為ではないのか?いや――ここまで秘密にされていたのは。などという声が上がっている。 「諸君。同盟基本法に規定されている通り、わが同盟は成立時に外交権限を私、同盟最高評議会議長が所管している。これは自由惑星同盟成立時に国父アーレ・ハイネセンの希望のように『我々と同じ反帝国の民が独立政権を作っていないか』という希望を持っていたことに由来するものだ。そして今――それは叶った。」 「しかし議長。接触先もまた『帝国』です。我々は銀河帝国に加え・・・ニッポン帝国という二つの敵を得てしまったのでは?」 「その心配はもっともだ。だが、接触先の『サンゼ』は、ニホン帝国首相府からの親書と簡単な国家概要の説明を受けている。それによれば――かの国は、銀河帝国成立時の弾圧を予想し我々が知るイゼルローン回廊を抜け、さらに銀河中心に近いスキュータム・サザンクロス(たて座・みなみじゅうじ座)腕へ至り国家を維持したとのことだ。 これが重要なのだが、かの国は、立憲君主制をとっている。つまり――議会政治が存続しているのだ!」 847 :ひゅうが:2012/01/14(土) 00 19 30 全員が目を見開いた。 「我々と同じ民主国家が存在したのか――」 それは、希望だった。 「あくまでも皇帝――いや、彼らの呼称によると教皇的な皇帝『テンノウ』を君主にして国家統合の生ける象徴として戴きながら政治は憲法にのっとり公論・・・国民の手により行われている。 ゆえに立憲君主制というのだ。それに、かの国は古くは地球時代からその独立を維持し続けてきた・・・あの13日戦争以前から続く歴史ある国家だ。」 「なんという・・・これほど、これほど喜ばしいニュースはないですな!」 「人口は?領域はどれくらいなのですか!?」 委員たちは涙ぐむものもいる。 自由惑星同盟は、銀河帝国という巨大な敵を長年相手にしてきた。 そのため、価値観を共有できるかもしれない存在がいたということ自体、彼らを喜ばせることだったのだ。 頃合いとみた議長は、顔を上気させ質問をしてくる委員にこたえようとして、ところなげにたたずむ辺境担当委員長に気がついた。 そして視線があうと同時に頷く。彼は嬉しそうな顔をし、あわてて報告書を読み上げる。 「いまだ接触途上なので詳細は不明ですが、ヒューマン系人口は約120億人との回答がきています。どうも電子知性に関してはかの国には独特の価値観があるようで――いえ失礼しました。 領域は、人口のわりに広いですね。じょうぎ・はくちょう腕にもまたがっているとのことです。彼らの首都はそこにあるとか・・・」 「なるほど・・・人口と領域――これは無視できる存在ではありませんな。」 議長は、日頃から辺境星域担当委員長を「昼行燈」と罵ってはばからない交通委員長が彼に敬語を使うのを見て内心苦笑した。 現在の自由惑星同盟は、文字通り利権屋の巣窟だ。そんな彼らをして熱くさせるものがこの報告にはあったらしい。 かくいう議長自身もその一人なのだった。 「幸い、かの国は侵略の意図はもっていないとのこと。親書には『和をもって尊しと為す』といういにしえの名言が引用されておりました。非公式ながら、交流や通商に関しては否定する要素がないと、かの国のオオクラ大臣――財務委員長ですな――のツジ氏から得ております。また、近々皇帝・・・おっと失礼、テンノウ陛下と政府からの親書が送られる見通しとの報告もあります。」 「諸君。」 議長は立ちあがった。 「同盟市民に喜んで発表しよう。 我々は孤独ではなかった。友邦となれる国が、そして議会制民主主義の灯を守り抜いた古き民たちがいたのだと。 古く、そして最も新しい我々の友の存在ほど、エル・ファシルを奪われ意気消沈する我々を勇気付けるものはないだろう!」 この日の最高評議会は、万雷の拍手で幕を閉じた。
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国籍 大日本帝国 艦長レベル 陽炎 秋月改 龍田 島風 艦船名 購入費用 鋼鉄1万 コイン200 鋼鉄3万 鋼鉄100万 装甲 耐久力 上部装甲(効果薄) 0/0/500/500 側面装甲(効果薄) 0/400/400/400 張り出し区画(被魚雷威力減) 0/0/0/300 機関 最大速度 オーバーヒート速度 オーバーヒート時間 舵力 対空防御力(効果薄) 視野範囲 レーダー範囲 ソナー範囲 主砲 片舷艦砲数 艦砲砲門数 最大射程 砲弾ダメージ リロード時間 片舷DPS 対空砲弾 副砲 片舷艦砲数 機雷発射管/魚雷発射管/ヘッジホッグ 管数/砲門数 最大射程 弾ダメージ リロード時間